愛犬が骨折!応急処置のやり方や治療方法を解説
愛犬が骨折!応急処置のやり方や治療方法を解説|川西市のミネルバ動物病院【犬猫専門】整形外科、手術
2024/08/20ケガ・病気
愛犬が骨折!応急処置のやり方や治療方法を解説
人間が骨折するように、ワンちゃんも骨折することがあります。
もしあなたの大切な愛犬が、骨折したときに飼い主さんはどうしてあげれば良いのでしょうか?
ここでは、「愛犬が骨折したかも?」というときに飼い主さんが知っておくべきことをご紹介いたします。
骨折かも?愛犬の骨折の見分け方!
「愛犬が骨折したかも?」
そんなときは、きっと飼い主さんから見てワンちゃんに異変が生じている場合だと思います。
でも確信がもてない・・・
動物病院に連れて行った方が良いだろうか?
そんな風に迷ったときには、参考にしていただきたいチェックポイントがあります。
迷ったときにはぜひ、下記を参考にしてみてください。
- 患部が熱をもっていて腫れている
- 患部を頻繁に舐めている
- 患部を触ると痛がる
- 抱っこしようとすると吠えたり、鳴いたりして怒る
- 立っている際に、常に足を上げている
- 足を地面につけずに歩いている
- 排尿や排便がうまくできていない
とはいえ、素人には判断が難しい場合があります。
そのような場合、病院に連れて行かずそのままにしておくと、骨折していた場合、骨が曲がってくっついてしまいます。
それにより、折れた部分が関節のように曲がるようになってしまうこともあるので、もし骨折の疑いが少しでもあるようならば、動物病院に連れていくことをお勧めします。
万が一、自然治癒で骨折部分がくっついてしまった場合、曲がった部分を治療しようとしても完治しないケースもありますので、骨折を疑った際には、動物病院で受診することをおすすめします。
動物病院の診療時間外の場合であっても、診療時間外対応をしてもらえる動物病院もあります。
また、かかりつけの獣医師に連絡して応急処置の方法を聞いてみるなど、愛犬を守るための何かしらのアクションをしましょう。
愛犬に骨折の疑いがある場合の応急処置の仕方
上記のチェックリストに当てはまる項目がある場合、愛犬が骨折した可能性が多いにあります。
その場合の、応急処理の仕方についてご紹介いたします。
足を骨折している場合には、割りばしや固い段ボールを添え木として患部にあてたうえで、包帯で巻き固定します。
包帯がない場合は、ハンカチなどで代用しても構いません。
固定する際には、あまりきつく巻いてしまうと痛がったり、血流が悪くなってしまうので注意が必要です。
飼い主さんが抱っこしたり患部を触ろうとすると、痛みで興奮してしまう場合には、無理に応急処置をすることはやめましょう。
興奮した状態で無理に応急処置をしようとすると、かえって患部が悪化したり、飼い主さんが噛まれてしまうこともありますので気を付けましょう。
ここに注意!ワンちゃんが骨折しやすいリスクとは?
動物のなかでも、犬は比較的骨折しやすいと言われています。
交通事故といった不慮の事故にとどまらず、日常生活のなかでもワンちゃんが骨折するリスクはたくさん潜んでいます。
ここでは、ワンちゃんが骨折しやすいリスクについてご紹介いたします。
- フローリングで足を滑らせる
- 階段や家の段差など、高いところから飛び降りる
- 抱っこしているときに落下する
- 人間に足を踏まれる
- 嬉しくてその場でジャンプをしていて着地がうまくいかない
- 交通事故など、屋外での不慮の事故
ワンちゃんにとって、フローリングは危険要因です。
室内で遊んでいて足を滑らせて骨折するということは、ワンちゃんにはよく見られます。
また椅子やベッド、階段など高いところから飛び降りて着地の際に前足を骨折するケースもあります。
子犬のときから嬉しいと飛び跳ねる傾向にあるワンちゃんも注意が必要です。
その場で、ジャンプしているときに、着地に失敗して後ろ足を骨折する場合もあります。
このほか、抱っこしているときに人間の手がすべったり、ワンちゃんが降りようと暴れて、うっかりワンちゃんを落としてしまうというケースや、人間がワンちゃんの足を踏んでしまうというケースもあります。
また、交通事故など屋外での不慮の事故もあります。
骨折しやすいワンちゃんの犬種や年齢、体格とは?
骨折しやすいのは、どのようなワンちゃんなのでしょうか?
見ていきましょう。
骨折しやすい犬種とは?
犬種については、チワワや、ポメラニアン、トイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド、ミニチュア・ピンシャーなどといった小型犬は、骨も細いため、足を骨折しやすい傾向にあります。
抱っこ中の落下や、うっかり人間が踏んでしまうといったことにも気を付けましょう。
同じ理由で、子犬も要注意です。
また中型犬や大型犬であっても、ボルゾイやサルーキ、アイリッシュ・セターなどといった骨格がスリムな犬種は、骨折リスクが比較的高いとされています。
上記にあたらなくても、骨折の可能性がゼロではありません。
交通事故などでは、犬種に関係なく骨折の可能性があります。
骨折しやすい年齢とは?
ワンちゃんもシニア期になれば、骨粗しょう症による骨折リスクが高まります。
これまでと同じように日常生活を送っていても、骨折しやすいため注意が必要です。
また、年齢とともに筋力が低下したり、関節が痛くなるなど、足をかばいつつ歩くことがあります。
一見骨折と区別がつきにくい症状が見られることも多くなるかもしれませんが、シニア期になれば当然と思わず、普段から気を付けてあげるとともに、こまめに健康診断をするなどして、気遣ってあげましょう。
ワンちゃんの骨折の治療について
ワンちゃんが骨折しているか否かは、レントゲン検査にて分かります。
レントゲンの結果、骨折しているとなれば、3つの治療方法があります。
まずひとつは、ギプスで患部を固定する方法です。
ふたつ目は、手術で治療する方法です。
手術には、折れた骨を金属の細いプレートとネジで固定するプレート固定法と、皮膚の外からピンを刺して骨を固定する創外固定法があります。
プレート固定法は、もっともポピュラーな手術方法で、手術の翌日から歩けるようになります。
創外固定法は、足が細いワンちゃんに行なわれることが多く、治癒が早く、治療後に金属が体内に残らないのが特徴です。
三つ目は、細胞治療です。
これは、手術と併用して行なわれる補助的な治療法であり、手術の際に採取したワンちゃんの脂肪細胞から脂肪幹細胞を培養して、点滴で体内に注入する方法です。
骨折した骨に幹細胞が集まり手術後の治癒を早める効果があります。
まとめ
大切な愛犬が骨折しないように気を付けてあげることは、飼い主さんの役目でもあります。
例えば、室内のフローリングに滑り止めのラグを敷いて、ワンちゃんが滑らないようにしたり、ワンちゃんが飛び降りて骨折しそうな高さのある個所には、ワンちゃんが立ち入ることができないようにバリケードをするなどといったことも有効です。
またワンちゃんをうっかり落としたりしないように、常に座って抱っこする、小さなお子さんに愛犬との正しい接し方を教えるといったことも必要です。
また散歩のときには愛犬がリードから離れて飛び出したりしないよう注意が必要です。
とはいえ、注意をしていても骨折してしまうことはあります。
そのようなときには、「大丈夫かも」と自己判断せずに、すぐに動物病院を受診しましょう。
自然治癒で変な方向に骨がくっついてしまっては、歩行や運動にも影響が出てしまいます。
大切な愛犬の骨折を予防してあげることも、飼い主さんの愛情です。