猫の尿管結石ってどんな病気?食事で防げるって本当?
猫の尿管結石ってどんな病気?食事で防げるって本当?|川西市のミネルバ動物病院【犬猫専門】整形外科、手術
2024/10/12ケガ・病気
猫の尿管結石ってどんな病気?食事で防げるって本当?
猫の病気で多いものに尿管結石があります。
ここでは、猫の尿管結石について理解を深めてもらうとともに、尿管結石を防ぐための食事の重要性についてご紹介いたします。
愛猫には、いつまでも元気で長生きして欲しいですよね。
愛するネコちゃんの健康を守るために、ぜひ最後まで読み進めてください。
尿管結石とは?
尿管結石とは、尿石症(尿路結石症)と呼ばれる病気です。
尿に含まれるカルシウムやリン、マグネシウムなどのミネラル成分が結晶化することにより、腎臓、膀胱、尿道などの泌尿器で結石となり、さまざまな症状を引き起こしてしまう病気です。
猫の尿管結石の原因は?
尿管結石の原因については、いくつかの要因が挙げられます。
- 食事の内容
- 水分摂取の不足
- 細菌の尿路感染
- 遺伝的体質
- 肝疾患
猫の尿管結石の症状について
尿管結石の症状には、血尿、頻尿、発熱、食欲不振、排尿痛などがあります。
- 愛猫の尿にキラキラ光っているものが混じっている
- トイレに頻繁に行くが、尿がほとんど出ていない
- 排尿するときの姿勢がいつもと違う
- 排尿する際に痛がっている
- 陰部を気にしている
愛猫にこのような症状が見られたら、動物病院での受診をおすすめします。
尿管結石をそのまま放置しておくと、結石が尿道に詰まってしまい、全く尿が出ない状態になってしまいます。
いわゆる尿道閉塞という状態です。
このような状態になってしまうと、血液中の老廃物が体外に排泄されないため、尿毒症や膀胱破裂を起こしたりする可能性があります。
場合によっては、生命に危険が及ぶ状況となってしまいます。
尿管結石の治療について
尿管結石の治療は、結石の溶解や結石をつくらせないための食事療法を行ないます。
結石のタイプによっては、溶かすことができないものもあります。
また血尿や尿路感染がある場合には、止血剤の投与や抗生物質の投与など、対症療法を併せて行なうことになります。
症状が進み尿道閉塞になってしまった場合には、カテーテルを尿道に挿入する処置などを行なうことで、閉塞の状態を解除します。
また結石のタイプや結石の大きさ、また結石ができた位置によっては、外科的手術で摘出する場合もあります。
猫の尿管結石の予防には食事が重要
尿管結石の治療法として食事療法がありますが、日頃の食事から尿管結石を防ぐことが可能です。
尿石の形成を防ぐためには、尿石の原因となる成分を食事から極力削除することにより、尿石ができにくい体内環境をつくることが重要です。
予防したい結石の種類によって、最適な食事が異なります。
ストラバイト結石
ストラバイト結石とは、尿がアルカリ性に傾くとできやすくなります。
そのため、尿を酸性化する食事がおすすめです。
ストラバイト結石は、できてしまっても食事療法で溶解しやすいのが特徴です。
低リン、低マグネシウムの食事を摂るようにしましょう。
結石の材料となるのはアンモニウムですので、アンモニウムの供給を抑え、尿を濃縮する能力を調整するために、タンパク質の制限もポイントです。
ただし、成長期の猫にタンパク質は必要ですので、ストイックな制限ではなく、タンパク質の制限は、緩やかで長期に及ばないようにすることが重要です。
シュウ酸カルシウム結石
尿が酸性に傾くとできやすくなる結石です。
尿をアルカリ化するタンパク質を適度に制限した食事が有効です。
併せて、カルシウムやシュウ酸を抑えた食事がおすすめです。
尿酸塩結石
尿酸塩結石は、肝機能の低下や尿酸の前駆物質であるプリン体の代謝異常にともなってみられる結石です。
尿が酸性に傾くとできやすくなるので、尿をアルカリ化するようタンパク質を適度に制限した食事にしましょう。
また低プリン体の食事がおすすめです。
シスチン結石
たんぱく質を構成するアミノ酸の一種シスチンの先天的な代謝障害にともなって見られるのがシスチン結石です。
シスチンは、酸性尿では溶けにくく、アルカリ尿では溶けやすいという性質があります。
そのため、尿をアルカリ化し、シスチンの摂取を減らすため、タンパク質を適度に制限した食事がおすすめです。
また低ナトリウムの食事にすることも重要です。
シリカ結石
土に含まれるケイ素が主成分の金平糖状の結石が、シリカ結石です。
この場合、尿のpHは酸性に傾いています。
そのため、尿をアルカリ性に傾ける必要があります。
グルテンや大豆を多く含む食事もよくないとされていますので、植物由来のタンパク質を制限した食事がおすすめです。
食事以外に気を付けること
尿管結石の予防には、食事が大変重要だということをお分かりいただけたことと思います。
食事以外でも気をつけなければならない点があります。
- 水分摂取量を増やす
- ストレスなく排尿ができる環境
- 健康状態をこまめに観察
水分をしっかりと取ることによって、体内にある有害なものが尿と一緒に体内に排出できます。
膀胱内に尿が長時間留まらないようにするために、愛猫の好みの水を準備したり、食事をドライではなくウェットタイプに変更するなど愛猫が水分を取りやすいようにすることがポイントです。
排尿を我慢させないことも大変重要です。
水分をたくさん摂取し、頻繁に排尿することで、膀胱のなかをキレイにし、尿石ができにくい状態を保つことがポイントになります。
排尿しやすい環境づくりが大切です。
また飼い主さんが、日頃から排尿の様子や尿の色や回数、匂いなどをチェックするなどする習慣をつけることで、病気の前兆に気付くことができ、早めの対処が可能になります。
まとめ
猫の尿管結石は、猫にとっては辛いものです。
またそんな愛猫を見るのは、飼い主さんにとっても辛いことでしょう。
大切な愛猫が尿管結石で苦しまないように、日頃から愛猫の様子を観察するとともに、食事にも気を配ってあげましょう。
ミネルバ動物病院では、猫ちゃんの尿管結石の手術が可能です
兵庫県川西市のミネルバ動物病院ではワンちゃん、ネコちゃんの尿管結石の手術が可能です。
猫の尿管の内腔はヒトの髪の毛より細いので、非常に繊細なテクニックが必要となります。
当院では手術用顕微鏡を用いて行っているため、肉眼や拡大鏡を用いた手術より丁寧な手術が可能です。
ワンちゃん、ネコちゃんの尿管結石についてお悩みの飼い主さんは、ぜひ一度当院へご相談ください。
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