犬・猫のフィラリア予防、予防薬はいつ投与?種類も解説!

犬・猫のフィラリア予防、予防薬はいつ投与?種類も解説!|川西市のミネルバ動物病院【犬猫専門】整形外科、手術

2024/11/11ケガ・病気

犬・猫のフィラリア予防、予防薬はいつ投与?種類も解説!


犬・猫のフィラリア予防、予防薬はいつ投与?種類も解説!|川西のミネルバ動物病院

犬を飼っている飼い主さんにとって、夏になると気になるのが、フィラリアです。
猫を飼っている飼い主さんにとっては、「フィラリアは犬の病気だから・・・」と安心している方も多いことでしょう。
でもちょっと待ってください!!

実は、フィラリアは犬だけでなく猫も感染することがあるんです!!
ここでは、犬や猫を飼っている方に知っていて欲しいフィラリアについての正しい知識をご紹介いたします。

フィラリア症はどんな病気なの?

フィラリアとは、寄生虫の名前です。
蚊を媒介して感染します。
フィラリア症とは、フィラリア(別名:犬糸状虫)と呼ばれる寄生虫が、犬や猫の心臓や血管に寄生することにより、血液の循環障害を起こすというものです。

フィラリア症が発症するまで

フィラリアが寄生した犬や猫の血を吸った蚊が、ほかの犬や猫の血を吸うことで、フィラリアに感染します。

フィラリアが寄生している犬や猫の血液には、小さなフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)がいます。
蚊が血を吸う際に、この幼虫も一緒に吸い込んでしまいます。
ミクロフィラリアは蚊の体内で0.2mm程度の感染子虫に成長します。

そしてその蚊が、ほかの非感染犬や非感染猫の血を吸うことによって、フィラリアの幼虫が体内に入ってしまうのです。
体内に入った感染子虫は、犬や猫の筋肉や脂肪にとどまり、数か月かけて成長します。

その後、心臓や肺に寄生して、約6か月で成虫になるのです。

フィラリア症の症状は?

フィラリア症の症状は、寄生虫の種類によっても異なりますが、下記のような症状が出ることが多くあります。

フィラリアの治療について

フィラリアの治療については、2つの方法があります。

ひとつは、無症状もしくは中等度の症状やレントゲン検査に引っかかった場合です。
この場合、予防薬や抗生剤などといった投薬治療が行われます。

もうひとつは、腹水貯留などをともなう右心不全といった重症の場合です。
以前は、成虫駆虫薬や手術による成虫の除去が行なわれていましたが、今は薬の販売停止などにより、これらの治療はできません。
そのため、予防薬や抗生剤などといった薬を投薬しながら、心臓の薬も併せて投薬していきますが、治療中に死亡することもあります。

フィラリア症の予防方法、予防薬はいつ投与する?

フィラリア症の予防方法、予防薬はいつ投与する?|川西のミネルバ動物病院

前述したように、感染すると死にいたることもあるフィラリア症。
一番良いのは、予防薬を摂取することです。
予防薬といっていますが、厳密にいうと駆虫薬です。
つまりフィラリアの幼虫を駆虫する薬なのです。

前述のとおり、フィラリアの幼虫は、2ケ月程度で成虫になります。
そのため、成虫になるまでに薬を飲むことで、成虫になる前に駆虫するというわけです。

フィラリア予防薬は、蚊が出現する季節の1か月後くらいから、気温が下がって蚊がいなくなる1か月後までの期間に投与します。
だいたい4月から11月までの期間に定期的に投与することが大切です。

フィラリア予防薬を投与する前に必要なこと

フィラリア予防薬を投与する前に気を付けなければならないことがあります。
フィラリア予防薬を投与する際には、フィラリアに感染していないことを確かめなければなりません。
フィラリアに感染している犬や猫に予防薬を投与すると、アナフィラキシーショックや毛細血管での塞栓症などといった重大な副作用が起こることがあります。

アナフィラキシーショックとは、予防薬がミクロフィラリアの死体に異物反応を起こすことにより、意識を失ったり、低血圧などの激しい症状が引き起こされる状態になります。

また、死亡した虫体が肺や臓器の毛細血管に詰まってしまうことにより臓器障害を起こす毛細血管での塞栓症を引き起こすこともあります。

飲み忘れなく欠かさず摂取している場合は、必要ありませんが、予防薬の飲み忘れや、予防期間に投薬できなかった場合には、必ずフィラリア検査をしてから投薬するようにしましょう。

猫も本当にフィラリアに感染するの?

結論から申し上げますと、猫もフィラリア症になります

症状としては、咳が出る、呼吸が速くなるといった呼吸困難をともなう場合もあります。
また嘔吐、元気があない、食欲がない、体重が減るなどの症状もみられます。

猫は犬と比べて、フィラリアの寄生数が少ないため、症状があまり出ないことが多々あります。
また症状が乏しく飼い主さんが気が付かないことも多くあります。

それに加え、検査などによる診断も難しいため、発見が困難です。
発見したときには、手遅れの場合もあるので、やはり猫も予防が必要です。

フィラリアの予防薬にはどんな種類がある?

フィラリアの予防薬には、4つの種類があります。

それでは、それぞれの予防薬のメリットデメリットを見ていきましょう。

おやつタイプ

おやつタイプは、もっともポピュラーな予防薬です。
与えやすい反面、食事アレルギーがある犬や猫には不向きです。

スポットタイプ

食が細い子や食べ慣れたものでないと食べない犬や猫におすすめです。
特に猫に用いられることが多くあります。
ただし、皮膚炎ができることもあるので注意が必要です。

錠剤タイプ

食事アレルギーがある犬や猫、皮膚炎になりやすい子にも使用できますが、与えるのが難しいというデメリットもあります。

注射タイプ

効果が一年間続くのがメリットですが、注射が苦手な子や副作用が出やすい子には不向きです。

まとめ

フィラリア症は、犬も猫も感染する可能性があります。
感染を防ぐために有効なのは、予防薬です。
おもに蚊が出現する季節を中心に投与しますが、投与忘れを防ぐためや温暖化の影響や地域によっては蚊の出現期間が長くなっていることもあるので、1年を通して、投与することをおすすめします。

       

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