わが家の愛犬、もしかしてアレルギー?症状別治療方法をご紹介!
わが家の愛犬、もしかしてアレルギー?症状別治療方法をご紹介!|川西市のミネルバ動物病院【犬猫専門】整形外科、手術
2024/01/20ケガ・病気
わが家の愛犬、もしかしてアレルギー?症状別治療方法をご紹介!
人間と同じように犬もアレルギーを発症することがあるのをご存知でしょうか?
人間のように犬は症状を言葉で伝えることができません。
飼い主さんが、犬の症状を見て適切な治療を受けさせることが必要です。
ここでは、症状別にどのようなアレルギーが考えられるのか?
また治療方法などもご紹介してまいります。
犬がアレルギーを発症する原因について
人間のアレルギーは、アレルゲンとなる物質が体内に入った際に、免疫が過剰に働くことが原因で発症します。
犬も同じです。
アレルゲンとなるものには、以下のものがあります。
- 花粉
- ハウスダスト
- 寄生虫
- 細菌
- 食べ物
- ウイルス
次に犬のアレルギーの種類についてみていきましょう。
犬のアレルギーの種類
犬のアレルギーには以下のようなものがあります。
- アトピー性皮膚炎
- ノミアレルギー性皮膚炎
- 食物アレルギー
- 疥癬(かいせん)
これらのアレルギーにかかった犬は、かゆみを緩和するため、体を床にこすりつける、自分の体を噛むなどの行動に出ます。
このような行動が見られたら、あなたの愛犬はアレルギーに苦しんでいるのかもしれません。
それでは、症状別にみるアレルギーの原因と対策についてみていきましょう。
顔周辺・足・わきの下・しっぽの付け根などにかゆみ
アトピー性皮膚炎
顔周辺や足、わきの下、しっぽの付け根などにかゆみがみられるような場合、かゆみを我慢できずに、皮膚を掻きすぎて炎症が進むこともあります。
それにより、症状が悪化し、毛が抜けたり、傷から最近が入り皮膚感染症をおこしたり、炎症、色素沈着などの症状が表われたりします。
アトピー性皮膚炎の原因
アトピー性皮膚炎の原因は、4つあります。
- カビ
- フケ
- イエダニ
- 空気中の花粉
これらの原因に加え、気温や湿度などの環境要因も関係しています。
体のなかにこのようなアレルゲンが入ると、アレルギー反応を起こし、かゆみをともないます。
アトピー性皮膚炎は、3歳未満の犬が発症しやすく、年齢を重ねるごとにかゆみがひどくなります。
また遺伝的要因で皮膚のバリア機能が低下している、アレルゲンが増える季節に、より症状がひどくなる傾向にあります。
アトピー性皮膚炎の治療方法
アトピー性皮膚炎の治療は、かゆみや炎症をおさえる治療がおもになります。
抗炎症薬、免疫抑制薬、食事療法、外用薬などが、症状によって処方されます。
またアレルギーの原因となるアレルゲンを少量ずつ注射することにより、アレルゲンへの免疫を高める減感作療法などもあります。
患部を悪化させないようエリザベスカラーやシャツ、ソックスなどを着用させる場合もあります。
背中からしっぽの付け根にかけての脱毛、掻き傷、赤み、発疹、ただれ
ノミアレルギー性皮膚炎
9月~11月に多いですが、温暖化や空調により近年では1年中、ノミが生息しているため、近年では季節を問わず発症しています。
ノミに噛まれると強いかゆみが起こります。
かゆみを我慢できずに、引っかいたりなめたりすることにより、症状が悪化していきます。
それにより、背中からしっぽの付け根にかけての脱毛、掻き傷、赤み、発疹、ただれといった症状が表われます。
ノミアレルギー性皮膚炎の原因
ノミに噛まれたことによるアレルギーを引き起こす要因として、犬自身がノミアレルギーをもっていることが挙げられます。
ノミアレルギーをもっている犬がノミに噛まれると、ノミの唾液が体内に入り、広範囲にわたってかゆみや発疹が出ます。
噛まれた箇所が1箇所であっても、アレルギー反応が出るのが特徴です。
一方、ノミアレルギーをもっていない犬がノミに噛まれても全身へのかゆみは起きません。
ノミアレルギー性皮膚炎の治療
ノミアレルギー性皮膚炎の治療には、ノミの駆除薬が有効です。
首に垂らすタイプと、飲み薬の2種類あり、飲み薬は飲みやすいようにおやつタイプになっているものもあります。
あわせて、かゆみや炎症などといった薬が処方されます。
ノミアレルギー性皮膚炎は、事前に予防が可能です。
愛犬を守るためにも、事前の予防をおすすめします。
軟便・下痢・外耳炎
食物アレルギー
食べ物に含まれるたんぱく質に過剰に反応し、皮膚炎や軟便・下痢といった消火器症状などを起こすのが、食物アレルギーです。
1歳未満から発症するケースが多く、年間を通して発症します。
皮膚炎の場合は、ほかの皮膚炎と区別がつきにくいので注意が必要です。
顔や先端部、皮膚の重なる部分に症状が出るのが特徴です。
食物アレルギーの原因
食物アレルギーの原因は以下のとおりです。
- 肉(鶏、豚、牛、羊)
- 卵
- 乳製品
- 穀類(小麦、大豆、白米、トウモロコシ)
食品添加物もアレルゲンになり得ます。
これまで普通に口にしていた食品が、ある日突然アレルギーを引き起こすこともあります。
食物アレルギーの治療
食物アレルギーの治療については、かゆみや炎症を抑えるための内用薬や外用薬を処方されます。
また同時に、アレルギー検査を行ない、アレルゲンを特定します。
その後、特定されたアレルゲンを含む食品を除去した食事指導が行われます。
アレルギー対策用のドッグフードもあります。
耳のふち、ひじ、かかとなどにかゆみ、脱毛、フケ、黄色っぽいかさぶた
疥癬(かいせん)
疥癬は、耳にふちやひじ、かかとなどにかゆみが出たり、脱毛やフケ、黄色っぽいかさぶたが見られます。
重症の場合は、発熱、体重減少、リンパ節が腫れるといった症状が出ることもあります。
疥癬の原因
疥癬の原因は、イヌセンコウヒゼンダニです。
すでに疥癬を発症している動物への接触で感染します。
野良猫や野生動物との接触やドッグランなどで感染することもあるので、注意が必要です。
またヒゼンダニが付着している食器や敷物、ベッドやブラシなどからも感染することもあります。
ヒゼンダニは、犬の皮膚に穴をつくって寄生しどんどん増殖していきます。
肉眼では見ることはできません。
疥癬の治療
疥癬の治療は、セラメクチンやイベルメクチンなどの殺ダニ剤を投与し、ヒゼンダニを駆除します。
またかゆみ止めや炎症を抑える薬などを投与し、かゆみの症状を抑えます。
掻きむしった傷に細菌が入って二次感染を起こしている場合には、抗生剤を投与して治療します。
まとめ
犬種によってアレルギーを発症しやすい犬種もいます。
- 柴犬
- パグ
- テリア
- レトリバー
- シーズー
- シェパード
- ビーグル
- フレンチブルドッグ
- ウエストハイランドホワイトテリア
上記以外の犬種でもアレルギーを発症する可能性はあります。
犬は、かゆみなどの症状を訴えることはありません。
かゆみをひたすら我慢し、かゆみが強いと搔きむしり二次感染を起こすこともあります。
日頃から犬の様子に気を配り、かゆがっていると感じたら、早めに動物病院で受診することが大切です。