猫の膿胸はどんな病気?~症状と予防法~

猫の膿胸はどんな病気?~症状と予防法~|川西市のミネルバ動物病院【犬猫専門】整形外科、手術

2024/07/23ケガ・病気

猫の膿胸はどんな病気?~症状と予防法~


猫の膿胸はどんな病気?~症状と予防法~|川西のミネルバ動物病院

猫の「膿胸」という病気をご存知でしょうか?
肺のまわりの胸腔に膿がたまる病気です。
発症時には症状があまり見られないため、知らず知らずのうちに病気が進行してしまい、気が付いたときには重症化して亡くなってしまうこともある怖い病気です。

ここでは、愛猫を膿胸から守るために飼い主さんが知っておくべき情報をご紹介いたします。

膿胸とはどんな病気?

胸郭の内側の肺のまわりには、胸腔という空間があります。
胸腔のなかで肺が伸縮することで、人間など肺で呼吸する生き物は呼吸をしています。
この胸腔は、胸膜という膜で覆われています。
この胸膜に細菌や真菌が感染し化膿すると、胸腔内に膿がたまります
これが、膿胸です。

胸腔内に膿がどんどんたまっていくと、肺が膨らむスペースが小さくなってしまいます。
そのため、呼吸が苦しくなり、呼吸困難や敗血症を起こして、ひどい場合は死にいたることもあるのです。

膿胸の原因は?

膿胸は、先述のように、細菌や真菌が原因です。
そのため、感染症の気管支炎・肺炎や、猫同士のケンカにより胸部に咬傷や外傷を負ったことが原因であると考えられています。

また、誤って先の尖った異物を飲み込んでしまい食道穿孔(食道に穴があくこと)を起こし、それが原因で膿胸になる場合もあります。
このほか、体の別の部位に感染した細菌が血流等を介して、胸膜に感染したことが原因で、膿胸となるケースもあります。

膿胸の症状とは?

膿胸の初期は、ほとんど症状は見られない場合も多くあります
進行するにつれて、以下のような症状が見られます。

膿胸の進行がすすむと、40度近い高熱が出ることがあります。
また、

このような症状が見られるようになります。
このほか、脱水症状が見られる場合もあります。

さらに進行が進むと、咳が出たり、痛みが生じるので、飼い主さんが触ると嫌がる様子が見られるようになります。
愛猫の呼吸が苦しそうであれば、すでに胸腔内に膿がたくさんたまっている可能性があります。
猫が呼吸困難に陥った場合、以下のような症状が見られます。

このような呼吸困難の症状が見られる場合は、要注意です。
すぐに動物病院を受診しましょう。

さらに症状が進むと、体内の病巣にある細菌などが血液を介して全身に影響を及ぼし、さまざまな臓器が機能不全に陥ってしまう敗血症になり重症化して死にいたることもあります。

膿胸の治療法とは?

膿胸の治療法とは?|川西のミネルバ動物病院

膿胸の治療は、胸腔内にたまった膿を除去することが先決です。
そうすることで、呼吸状態を安定させるとともに、ふたたび膿がたまらないように感染を抑えることが重要になります。

まずは、酸素吸入や輸血などを行ないながら、胸腔穿刺(きょうくうせんし)体の外から胸腔内に針を刺し、胸腔にたまった液体を除去していきます。
このとき採取した液を分析し、排液や胸腔内洗浄が必要と判断された場合には、麻酔をしたうえで、胸腔内チューブから洗浄液を注入し、一定時間置いたあと回収するという治療を胸腔内の膿が少なくなるまで行ないます。
また開胸して胸腔内洗浄を行なったり、感染源や感染部位を摘出する外科的手術を行なう場合もあります。

これらと同時に、感染を抑えるために、抗菌剤の投与も行ないます。
初期の段階では注射を行ない、落ち着いてきたら内服薬に切り替えるという方法を行ない、輸血や高カロリー食の給与なども行なっていきます。

猫の膿胸を予防するには?

猫の膿胸の原因に多く見られるのは、猫同士のケンカや交通事故などによる外傷です。
そのため、室内飼育を行なうことが、膿胸の一番の予防となります。
また、家のなかにおいても誤飲して危険なものがないか、日頃から気を付けておくことも重要です。

外傷以外にも、呼吸器やその他の感染症から膿胸を引き起こす場合もあります。
愛猫の様子を日頃から以下の点において注意深く観察しましょう。

愛猫を膿胸から守るための健康チェック

愛猫を膿胸から守るため、日頃から以下のチェックリストに沿ってチェックをする習慣をつけておくと良いでしょう。

□ 食欲はあるか?
□ 元気はあるか?
□ 熱はないか?
□ 呼吸数は正常か?(猫の安静時の呼吸数は、1分間あたり20~40回程度、睡眠時は20回前後)
□ 呼吸の仕方は正常か?(口を開けたまま呼吸をしていないか、体全体で呼吸をしていないか?苦しそうに呼吸をしていないか?)

上記のチェックリストに基づいて愛猫に気を配っておくことで、膿胸の症状があればいち早く気付くことができ、早めの治療を行なうことができます。

まとめ

猫の膿胸は、胸腔内に膿がたまってしまう病気です。
呼吸困難に陥り、重症化すれば、敗血症や呼吸困難で死に至ることもある怖い病気です。
しかしながら、室内飼いをするなどしてリスク回避をすることは可能です。
飼い主さんのミスで、愛猫が屋外に逃げ出すことがないよう、室内の安全なところで飼育することを心がけましょう。

また日頃から、愛猫の様子を注意深く観察しておくことで、もしも膿胸にかかってしまった際に、早期に治療を行なうことが可能になります。
愛猫は自分の症状を話すことができませんが、日頃から愛情深く愛猫に接している飼い主さんならきっと愛猫の辛そうな症状に気付くことができるはずです。
「おかしいな」と思ったら、早めに動物病院を受診しましょう。

       

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