義務化された犬猫のマイクロチップとは?メリット・デメリットを解説
義務化された犬猫のマイクロチップとは?メリット・デメリットを解説|川西市のミネルバ動物病院【犬猫専門】整形外科、手術
2025/04/21飼い方・しつけ
義務化された犬猫のマイクロチップとは?メリット・デメリットを解説

2022年6月1日から、愛犬や愛猫へのマイクロチップ装着が義務化されました。
マイクロチップは、大切な愛犬や愛猫を守るものです。
ここでは、愛犬と愛猫を守るマイクロチップについて解説していきます。
マイクロチップとは?
マイクロチップとは、動物を個体識別するために使用される小型の電子器具です。
マイクロチップには、個体を識別する15桁の番号が登録されています。
専用のリーダーで読み取ることによって、飼い主の氏名や連絡先などといった情報に紐づくシステムです。
これにより、万が一愛犬や愛猫が迷子になったとしても飼い主の元へ戻すことができるというわけです。
日本においては、2022年6月1日から、動物愛護管理法に基づき、犬や猫へのマイクロチップ装着が義務化され、迷子や遺棄といったトラブル減少への期待が高まっています。
とはいえ、まだマイクロチップへの理解が深まっていない頃には、「うちの可愛い子にマイクロチップを埋め込むなんて・・・」と抵抗があった飼い主さんも多かったと思います。
しかしながら、マイクロチップの装着が義務化され、マイクロチップの重要性が広く理解されるようになりましたため、マイクロチップの重要性についてご存知の方がほとんどだと思いますが、改めてマイクロチップを装着することによるメリット・デメリットについて見ていきましょう。
マイクロチップ装着のメリットとは?
マイクロチップのメリットは、大きく3つ挙げられます。
- ① 迷子になったときに飼い主さんの元へ戻すことができるため
- ② 遺棄や虐待を防ぐため
- ③ 悪質なブリーダーや販売業者を取り締まるため
それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
迷子になったときに飼い主さんの元へ戻すことができるため
万が一、愛犬や愛猫が迷子になったとしても、マイクロチップがあれば、犬や猫たちは無事飼い主の元に帰ることができます。
これは災害時にも大変有効です。
また、自治体によっては、マイクロチップ個体識別番号が、狂犬病ワクチン接種済を示す鑑札の代わりとなっているところもあります。
遺棄や虐待を防ぐため
飼い主を明確に特定することができるということは、動物をむやみに遺棄することができないということにつながります。
これにより、飼い主さんの自覚を促すことができ、安易に飼い始めたものの飼えなくなったから遺棄する、といった不適切かつ安易な飼育抑止にもなります。
悪質なブリーダーや販売業者を取り締まるため
マイクロチップは、悪質なブリーダーや販売業者を取り締まることにもつながります。
これにより、動物の出身や販売経路が明確になり、犬や猫がむやみに売買されることを防ぐことになります。
マイクロチップ装着のデメリットとは?

ご覧のようにマイクロチップ装着には多くのメリットがありますが、一方でデメリットもあります。
どのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。
- ① 初期費用と登録手続き費用が飼い主の負担になる
- ② マイクロチップは電子機器であるため壊れる場合がある
- ③ プライバシーがさらされる危険性
- ④ MRI撮影時への影響
初期費用と登録手続き費用が飼い主の負担になる
マイクロチップ装着時には、マイクロチップ購入費用、挿入費用、登録費用などがかかります。
これら全て飼い主の負担になります。
マイクロチップは電子機器であるため壊れる場合がある
マイクロチップは電子機器であるため、体内で故障したり読み込みができないといった不具合が起こる可能性は否めません。
プライバシーがさらされる危険性
マイクロチップには、飼い主の情報が登録されています。
これによりセキュリティの面で不安を感じる方もいらっしゃいます。
MRI撮影時への影響
MRI撮影時に、稀に影響を及ぼすことがあります。
マイクロチップは金属製のため、MRIの磁力の影響を受け、MRI撮影時にマイクロチップ近辺の画像が歪むことがあるのです。
撮影箇所がマイクロチップの挿入部分と離れていれば、影響はありませんが、近いところにある場合には支障が出ることがあります。
マイクロチップの装着方法と読み取り方法
マイクロチップは、肩甲骨と肩甲骨の間の皮下に専用の挿入器具を使用して埋め込みます。
針を刺すので多少の痛みはあるものの麻酔や鎮静剤は必要なく数分で終了します。
実は、マイクロチップ自体には、飼い主の住所や連絡先といった情報は記録されていません。
装着したあと、環境省の指定サイトから飼い主情報を登録するようなシステムになっています。
飼い主が変更になったり、飼い主の住所や連絡先が変わった場合などは、登録内容の変更手続きが必要となります。
また愛犬や愛猫が亡くなってしまった場合には、死亡届を出さなければなりません。
これらは、全て環境省のホームページから行なうことができます。
それでは、実際に犬や猫が迷子になった場合はどのように読み取り、飼い主に紐づけられるのでしょうか?
全国の動物病院や動物愛護センター、保健所などにマイクロチップの読み取り専用リーダーが配布されています。
迷子の個体がいた場合、このリーダーを背中の上部にかざすことで番号を読み取ります。
そしてその番号を国の登録データベースにて照会します。
まとめ
マイクロチップ装着に抵抗があるという方もいらっしゃるかもしれませんが、マイクロチップは、愛犬や愛猫が迷子になったとき、災害時などに大変有効です。
装着時の痛みもほとんどなく、装着後のアレルギー反応や炎症の報告もほとんどなく安全性が高いとされています。
2022年6月1日以降動物愛護管理法に基づき、犬や猫を飼う際にはマイクロチップ装着が義務付けされたため、ペットショップやブリーダー、動物愛護団体から迎え入れた際にはすでにマイクロチップは装着されていますが、保護猫や保護犬、知り合いから譲り受けた場合には、マイクロチップの装着がされていないことがありますのでご注意ください。