子宮蓄膿症

子宮の中で細菌感染がおこり、膿が貯留する病気です。子宮内で増えた細菌は血流にのって様々な臓器を悪影響を起こします。
猫ちゃんではまれです。
未経産（赤ちゃんを出産したことがない）のわんちゃんの発症率が高く、生理が終わってから1～2ヵ月後に発症することが多いです。

症状

• 元気、食欲がない
• 水を飲む量が増えた
• 陰部から白～黄色っぽいドロッとした分泌物が出る

検査

• 血液検査
• 超音波検査
• レントゲン検査

治療

子宮卵巣摘出術

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陰部からの排液

子宮内貯留物（膿）

陰部からの排液

当院での治療実績

死亡率；2％以下
＊ 一般的に5～10％と言われており、無治療だと100％です。
子宮蓄膿症の手術症例 >

お伝えしたいこと

子宮蓄膿症は早期に発見し、適切な治療を行えばほとんどのわんちゃんが完治できる病気ですので、避妊手術を受けていないわんちゃんの飼い主さんは食欲や水を飲む量に変化がないか常に注意し、変化があった場合はすぐに受診して下さい。
この病気は避妊手術を受けたわんちゃんでは認められません。比較的安全に出産できる年齢は2～3歳と言われているので、もし、その年齢を過ぎた場合は早いうちに避妊手術を受けられることをお勧めします。

消化管内異物

胃、腸などで消化されない異物（スーパーボール、野菜の芯、串、アクセサリー、紐など）を食べることで生じます。わんちゃんは何でも口に入れるため頻発します。
一方、猫ちゃんはあまり異物を口に入れることはありませんが、紐状のおもちゃで遊んでいるときに誤食してしまい、生じることがあります。
紐状異物はそれ自体を軸に小腸を縮ませるため、容易に腸穿孔を引き起こします。

症状

• 食欲がない
• 水を飲んでもすべて吐いてしまう

検査

• レントゲン検査
• 超音波検査

治療

異物の摘出（内視鏡もしくは開腹手術）

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ひも状異物によってアコーディオン状になった空腸

お伝えしたいこと

異物の発見は難しいためはレントゲン検査や超音波検査で見落とされることが多いため、一般の病院ではバリウムという液体を患者さんに無理やり口から飲ませてバリウム造影検査が必要です。
この検査は半日以上かかってしまうため発見が遅くなったり、吐き気のある患者さんに無理やり飲ませないといけないため、患者さんに大きな負担がかかります。
当院では内視鏡検査やCT検査が実施可能なので、患者さんに負担をかけることなくより早期に異物を見つけることができます。

尿管結石

ねこちゃんの尿管の内腔は髪の毛より細いと言われています。その尿管に腎臓で形成された結石が詰まってしまう病気です。
尿管結石が尿管を完全に閉塞してしまうと急性腎不全を引き起こし、解除できないと腎不全を引き起こし、死に至ります。

症状

• 食欲がない
• お腹を痛がる

検査

• レントゲン検査
• 超音波検査
• CT検査

治療

• 尿管切開による尿管結石摘出
• 尿管膀胱新吻合術
• SUBシステム

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手術用顕微鏡下手術
尿管切開によって露出された尿管結石	尿管と膀胱を吻合（尿管膀胱新吻合術）

当院での治療実績

尿管結石の手術症例 >

お伝えしたいこと

冒頭で述べさせていただいた通り、猫ちゃんの尿管は非常に細い構造をしているので、非常に繊細な操作が必要となります。
肉眼や拡大鏡では組織の操作が雑になってしまうため、当院では手術用顕微鏡を用いて行っております。
ただ、手術が成功しても発見が遅くなると腎不全のリスクが非常に高くなるので、異常が認められたらなるべく早く来院して下さい。

会陰ヘルニア

去勢手術を受けていない雄のわんちゃんに見られます。
吠えたり、肥大した前立腺によって肛門の横の筋肉に穴が開き、そこから直腸や膀胱が突出する病気です。

症状

• うんちが出ない
• うんちが出るまで時間がかかるようになった
• おしっこが出ない

検査

• 触診
• レントゲン検査

治療

• 内閉鎖筋フラップ
• メッシュを用いた閉創
• 半腱様筋転移術
• 前立腺・膀胱・結腸固定

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会陰ヘルニアによって結腸が飛び出した結果、肛門の横が盛り上がっています

内閉鎖筋フラップ

当院での治療実績

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お伝えしたいこと

会陰ヘルニアは手術を行っても再発率が非常に高い病気です。ただ、早期のうちに手術を行えばほぼ100％完治します。
去勢をしていない高齢の雄のわんちゃんでうんちの時間が長くなった場合、早めに来院して下さい。

肝臓腫瘍

症状

• お腹が張ってきた
• 急に元気がなくなった

検査

• 触診
• レントゲン検査
• 超音波検査
• CT検査

治療

外科的摘出

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内側・外側左葉の肝臓腫瘍を摘出

摘出した内側左葉（出血部）

当院での治療実績

肝臓腫瘍の手術症例 >

お伝えしたいこと

肝臓腫瘍は良性の場合が多いのですが、良性でも突然破裂し、腹腔内出血を引き起こし、死に至ることがあります。
肝臓は元々血管のが豊富な臓器なので、非常に出血しやすいです。そのため、当院では超音波吸引装置を用いて出血が少ない手術を行っています。