猫が骨折したかも!?症状や治療方法について解説
猫が骨折したかも!?症状や治療方法について解説|川西市のミネルバ動物病院【犬猫専門】整形外科、手術
2025/09/26ケガ・病気
猫が骨折したかも!?症状や治療方法について解説

猫の骨折を詳しく解説!!
「猫って骨折するの!?」
そんなふうに思った方もいらっしゃることでしょう。
猫は身体能力が高く、高いところから飛び降りても骨折はしないというイメージをお持ちの方も多いことでしょう。
しかしながら、猫も骨折するのです。
しかも、猫は病気やケガを隠す習性があるため、飼い主さんも骨折していることに気がつかないことがあります。
ここでは、そんな知られざる猫の骨折について、紐解いていきたいと思います。
猫の骨折の原因とは?
愛猫が自由に外出できる環境で飼っている方もいらっしゃると思います。
そのような放し飼いの猫の骨折の一番の原因は、交通事故です。
近年、放し飼いの猫は少なくなってきたものの、ベランダから誤って落下してしまい骨折するケースも少なくありません。
落下した先が、コンクリートやアスファルトといった硬い場所であれば、骨折のリスクはより高くなります。
室内であってもタンスや棚など比較的高い家具の上から飛び降りて、骨折するケースもあります。
また、ドアや窓に挟まれたことにより骨折することもあるので注意が必要です。
このほか、病気が原因で骨折する場合もあります。
例えば、栄養不足や骨の腫瘍などが原因で、骨がもろくなり骨折を引き起こすケースもあります。
猫の骨折と症状

前述で、猫はケガを隠す習性があると書きましたが、その習性のため、飼い主さんでも骨折をしていることに気づかないケースがあります。
それでは、どのような点に気をつけていれば、飼い主さんは、愛猫の骨折に気づくことができるのでしょうか?
「うちの子、もしかして骨折かも・・・」と疑ったときには、以下のチェック項目でチェックしてみましょう。
猫の骨折チェック
□ 歩き方がおかしい
□ 高いところからジャンプしない
□ 腫れている部位がある
□ 触れたときに痛がったり、嫌がったりしている
□ 食欲がない
□ 部屋の隅に隠れている
□ 丸まって動こうとしない
□ 骨折しているであろう部位をしきりになめている
上記のうち、触れた時に嫌がったり、痛がったりしている場合や食欲がない、部屋の隅に隠れている場合は、骨折に限らず、他の病気や疾患の可能性もあります。
骨折に気づかずに、自然に骨がくっついて治る可能性もありますが、その場合、骨が変形してくっついてしまうこともあります。
そうなると、関節に違和感が生じ、歩行に影響が出たり、痛みを感じるようになることがあります。
上記のチェック項目にひとつでも✔︎が入ったら、すぐに動物病院での受診をおすすめします。
猫が骨折したときの症状とは?
それでは、上記のチェック項目について詳しく説明しましょう。
猫が骨折した場合、おもに次の5つの症状が現れます。
- ① 歩行困難・・・骨折した足を全く動かさない、足を地面につけない
- ② 腫れや炎症・・・骨折した部位周辺に腫れや炎症がみられる
- ③ 異常な鳴き声・・・痛みにより普段とは違う異常な鳴き声を発する
- ④ 骨の露出・・・骨が外に露出している
- ⑤ 痛がる・・・触れると嫌がったり痛がる
猫の骨折の予防について
猫の骨折を予防するのに、一番効果的なのは、完全室内飼育にすることです。
その際に、気をつけるべきことは、脱走しないようにしっかりと対策をすることです。
また、誤って落下するのを防ぐため、ベランダに出さないようにすることも重要です。
たとえ室内飼育であっても高いところから飛び降りた際に、着地に失敗し、骨折することはあります。
それを防ぐためには、愛猫が安全に着地できるよう飼い主さんの工夫が必要です。
猫も高齢になれば、私たち人間のように、足腰も弱り、骨ももろくなります。
若いときに簡単に飛び降りていたキャットタワーから飛び降りるのにも危険がともないます。
そのため、高齢になれば、キャットタワー落下したとしても骨が体重を支えられる程度の低いものに変えるなど、飼い主さんの配慮が必要になります。
またフローリングは、飛び降りたときに滑りやすいので、マットを敷くなどといった対策が必要です。
このほか、滑らないように足裏の毛を短くカットしたり爪切りをこまめにするなど、日頃からお手入れをきちんとすることも大切です。
猫の骨折の治療
猫の骨折は、深刻です。
しっかりと獣医師の診察を受け、治療をしなければなりません。
ここからは、猫の骨折の治療法についてご紹介いたします。
猫の骨折の場合、以下のステップにより治療が行われます。
- 1. レントゲン検査
- 2. 骨の固定
骨折部位を固定するために、ギプスやプレート、ピンを用いて損傷した骨の整復・固定する外科手術が行われることがあります。 - 3. 痛みを軽減するための投薬治療
鎮痛剤により、猫の痛みを軽減します。 - 4. 経過観察
まとめ
猫は、病気やケガを隠す習性があリます。
そのため猫の骨折は、いつも一緒にいる飼い主さんも、注意して見ていないとなかなか気づかないものです。
知らないうちに骨折し、知らないうちに自然治癒していたということもあるかもしれませんが、自然治癒により歩行に影響が出たり、痛みをともなうこともあります。
そうならないためにも、日頃から飼い主さんは、愛猫の様子を注意深く観察すること、ブラッシングなどで愛猫に触れることが大切です。