犬の乳腺腫瘍、良性と診断されたらどうする?手術しないと余命は?
犬の乳腺腫瘍、良性と診断されたらどうする?手術しないと余命は?|川西市のミネルバ動物病院【犬猫専門】整形外科、手術
2024/10/11ケガ・病気
犬の乳腺腫瘍、良性と診断されたらどうする?手術しないと余命は?
あなたの大切な愛犬が、乳腺腫瘍の良性と診断されたら?
あなたはどうしますか?
「手術をすれば愛犬に少なからず負担がかかるので、良性なら手術せずにそのままそっとしておく」
そのように思う飼い主さんもいらっしゃることでしょう。
でも実は、この選択、間違っているかもしれません。
「良性と診断されて、手術しないとどうなるの?」
「良性だと愛犬の余命は・・・?」
愛犬家の皆さまの疑問はたくさんあるかと思いますが、この記事を読み終わる頃には、良性の乳腺腫瘍の対処方法に関するあなたの考え方が変わっているかもしれません。
ぜひ最後まで読み進めてみてください。
犬の乳腺腫瘍とは?
犬の乳腺腫瘍は、犬の腫瘍のなかでも皮膚腫瘍に次いで2番目に多い腫瘍です。
その名のとおり、乳腺に腫瘍ができ、良性と悪性があります。
いわゆる癌と呼ばれるものが悪性腫瘍であり、他の部位に転移する場合が多々あります。
乳腺腫瘍の50%以上が良性で、悪性の乳腺腫瘍の50%は転移をするといわれています。
しかしながら、乳腺腫瘍と診断されてもそのうち75%は乳腺の摘出手術を行なうことで完治が望める病気だともいわれています。
また乳腺にできる腫瘍なので、メスのみの病気であると思われがちですが、オスの発症もゼロではありません。
犬の乳腺腫瘍の原因は?
犬の乳腺腫瘍の発症には、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが大きく関わっているといわれています。
エストロゲンには、排卵を促す役割があり、プロゲステロンには、妊娠を維持する役割があります。
このほか、体質や環境、食物、生活環境なども関係しているとされていますが、はっきりとした原因は特定できていません。
ただし、悪性の腫瘍については、遺伝子の異常によるものだとされています。
犬の乳腺腫瘍の特徴
犬の乳腺腫瘍は、8~10歳齢の老齢期に発症することが多いですが、若齢で発症する場合もあります。
前述したように、エストロゲンと関係があるとされているため、初回発情前に避妊手術を行なうことで、乳腺腫瘍の発生率を低下させることができるといわれています。
避妊手術をしている場合とそうでない場合では、約7倍も発生率が異なります。
初回発情前に避妊手術を行なった場合の発生率は、0.05%にまで下げることができるといわれています。
犬の乳腺腫瘍の症状とは?
犬の乳腺腫瘍の特徴的な症状としては、乳腺組織にしこりが認められるという点が挙げられます。
しこりの大きさや硬さはさまざまで、しこりができる箇所も、胸や脇の下、下腹部、内股などさまざまです。
犬の乳腺腫瘍の悪性・良性の見分け方
乳腺腫瘍には、良性と悪性があります。
それぞれに特徴となる症状がありますので、見ていきましょう。
良性の乳腺腫瘍の特徴的な症状
良性の乳腺腫瘍は、しこりが小さくて硬く、境界が明瞭なのが特徴です。
しこりの大きさが1cm以下であれば問題はありませんが、そこから大きくなる可能性もあります。
良性だからと放っておくと、しこりが大きくなることも多々あります。
大きくなれば悪性や他部位への転移の可能性も高まり、摘出も困難になってきます。
手術をしないと、愛犬の余命を縮めることになるかもしれません。
悪性の乳腺腫瘍の特徴的な症状
悪性の乳腺腫瘍の場合は、以下のような特徴があります。
- しこりに熱をもっている
- 皮膚表面が壊死、もしくは自壊している
- 自壊した部分から出血している
このほか、進行が進むと、リンパ節や肺、肝臓、その他の胸や腹部の臓器に転移していることもあります。
腫瘍の進行は、2~3ケ月の間に急速に大きくなるものもあれば、数年かかって大きくなっていくものもあり、進行スピードはまちまちです。
犬の乳腺腫瘍の治療について
犬の乳腺腫瘍の治療方法については、おもに4つ挙げられます。
- 乳腺摘出手術
- 放射線治療
- 抗がん剤治療
- 免疫療法
乳腺腫瘍においては、抗がん剤は効きにくいとされているため、抗がん剤治療のみを行なうことはあまりありません。
完治を目指すためには、外科的治療が必要不可欠です。
それ以外の治療に関しては、痛みなどを緩和することが目的の治療になります。
犬の乳腺腫瘍の乳腺摘出手術について
犬の乳腺腫瘍の乳腺摘出手術には、3つの方法があります。
- 単純乳腺摘出手術
- 部分乳腺摘出手術
- 両側性乳腺摘出手術
それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
単純乳腺摘出手術
腫瘍がある乳腺のみを摘出する手術です。
そのため手術時間は短く、入院も数日程度なので、犬への負担は少なくてすみます。
悪性の場合は、手術後の経過次第では、再発の可能性はあります。
部分乳腺摘出手術
一側性乳腺摘出手術とも呼ばれています。
発生した腫瘍を支配するリンパ系の流れを考慮し、上の3つや下の2つ、もしくは3つの乳腺を摘出する方法です。
再発率は低いものの、手術時間も長く費用も高くなります。
2~4日の入院が必要になります。
両側性乳腺摘出手術
複数の乳腺に腫瘍が発生した場合に行なわれる手術方法です。
両側の乳腺全てを摘出します。
手術時間も長く費用も高くなり、1週間~10日程度の入院が必要となりますが、乳腺を全摘出するため、再発を抑えることができます。
身体的にかなりの負担がかかるので、犬種や犬の大きさによっては、1度に行なわず、日を変えて行なうこともあります。
まとめ
犬の乳腺腫瘍についてご紹介してきましたが、たとえ良性であったとしても、次第にしこりが大きくなり、やがて悪性へと変わることも多くあります。
「しこりが1cm以下だからきっと良性だろう」と素人判断せず、また獣医師に要請と診断されたからと、安易に放置することは、愛犬の寿命を縮めかねません。
乳腺腫瘍は、予防ができる病気です。
仔犬のときに避妊手術を受けさせることで、発症を防ぐことが可能です。
避妊手術を受けさせることが愛犬を守ることにも繋がります。
また日頃から愛犬の体を触ってしこりがないかどうかのチェックを、こまめに行なうことも大切です。
ミネルバ動物病院では、乳腺腫瘍・避妊手術の手術が可能です
兵庫県川西市のミネルバ動物病院ではワンちゃん、ネコちゃんの乳腺腫瘍、去勢・避妊手術が可能です。
乳腺腫瘍は手術実績も多く、軟部外科などの手術を得意としています。
避妊手術は、腹腔鏡手術が可能です。傷口が小さく、回復が早いため、わんちゃん・ねこちゃんの体への負担が大幅に軽減できます。
川西市、猪名川町、宝塚市、伊丹市、池田市で腹腔鏡手術を行っている病院は1病院のみ。
ワンちゃん、ネコちゃんの去勢・避妊手術についてお悩みの飼い主さんは、ぜひ一度当院へご相談ください。
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