猫も耳掃除が必要!?正しい猫の耳掃除方法について
猫も耳掃除が必要!?正しい猫の耳掃除方法について|川西市のミネルバ動物病院【犬猫専門】整形外科、手術
2025/08/29飼い方・しつけ
猫も耳掃除が必要!?正しい猫の耳掃除方法について

私たち人間は、定期的に耳掃除をしますが、猫の耳掃除って必要なのでしょうか?
耳掃除が苦手な猫ちゃんは多いと思います。
飼い主さんにとっても耳掃除は、なかなかハードルが高いという方も多いのではないでしょうか?
猫にとって耳掃除は必要なのか、どうすれば耳掃除を上手にできるようになるのか、など、ここでは猫の耳掃除についてのあれこれをご紹介いたします。
猫に耳掃除は必要?
猫にとって耳掃除は必要なのでしょうか?
結論から言うと、耳掃除を定期的にしたほうがいい猫と、そこまで無理してしなくても良い猫がいます。
それでは、定期的に耳掃除をしたほうがいい猫と、あまり必要のない良い猫について見ていきましょう。
耳掃除が必要な猫とは?
スコティッシュフォールドのような折れ耳の猫の場合は、定期的に耳掃除が必要です。
折れ耳の猫は、耳が折れているため通気性が悪いので、耳のなかで雑菌が繁殖しやすくなります。
汚れが溜まりすぎない程度に耳掃除をしてあげましょう。
耳掃除が必要ではない猫とは?
耳が立っている猫は、頻繁に耳掃除をする必要はありません。
耳が立っている猫は、耳のなかの通気性が良いため、ムレにくいので折れ耳の猫ほど汚れが溜まりません。
汚れていないのに耳掃除を頻繁にしていると、耳を傷つけてしまう恐れがありますので、気をつけましょう。
なぜ猫の耳掃除が必要なのか?
人間よりもはるかに耳が発達している猫。
人間は、最大で20キロヘルツの音を聞くことができるのに対し、猫はその3倍の60キロヘルツの音を聞くことができます。
猫は、12種類以上の筋肉を使って耳を動かし、外敵の存在を察知したり、獲物がいないかどうかの情報を耳から得ています。
人間では聞き取れないほどのかすかな音を聞き取ることができる猫にとって、耳は大変重要な器官であると言えます。
そのため、猫には耳の中の古い角質や分泌物を自然に耳の外へ排除する仕組みが備わっています。
健康な猫であれば、これらの機能が正常に働いているので、飼い主さんが無理に耳掃除をする必要がないのです。
ただし、耳が汚れているなど飼い主さんが気になったときは、耳掃除をしてあげると良いでしょう。
猫の耳掃除のポイント

ほとんどの猫は、耳掃除が苦手です。
そのため、耳掃除に素直に応じてくれる猫は少ないものと考えておくことが大切です。
初めて耳掃除をする際や、飼い主さんも耳掃除に慣れていない場合は、特に要注意です。
いきなり耳掃除を始めたり、嫌がる猫を無理やり押さえつけて、耳掃除をしないようにしましょう。
嫌がる場合は、決して無理にしないこと!
無理やりしてしまうと、今度から怖がってさせてもらえなくなることもあります。
嫌がる場合は諦めて、次の機会を待ちましょう。
嫌がられないようにするには、猫がリラックスしているときを狙うのがポイントです。
「耳掃除できそうだな!」と感じたら、優しく素早く行いましょう。
また猫に耳掃除をする場合には、耳のなかを傷つける恐れがあるので、綿棒の使用はしないようにしましょう。
猫の耳掃除の方法
猫の耳掃除の方法は、ひとつだけではありません。
いろんな方法がありますが、一番簡単で安全なのは、湿らせたコットンやガーゼで、見える汚れを拭き取る方法です。
ペットショップなどの猫のお世話グッズコーナーに行くと、耳掃除アイテムとして耳洗浄液(イヤークリーナー)を見かけると思います。
これは、耳垢が溜まっていてコットンやガーゼでは取れない場合に使用します。
使い方は、耳に直接垂らす方法と、コットンに含ませて拭く方法があります。
耳掃除が初めてや普段耳掃除を嫌がる猫の場合は、洗浄液を含ませたコットンを指に巻き付け、耳のなかに差し込み、指が無理なく届く範囲の汚れを優しく拭いてあげます。
決して、無理やり耳の奥の方に指を突っこまないようにしましょう。
耳のお手入れに慣れている猫の場合は、直接、耳の中に数滴洗浄液を垂らします。
しばらく待ち、耳の付け根部分を優しく揉むようにすると、耳の中の汚れが浮き出てきます。
あとは、浮き出た汚れを拭いてあげるだけです。
耳のなかに洗浄液が残っていないか気になる方もいらっしゃると思いますが、耳に残った洗浄液は、猫が首を振ることによって自ら耳のなかに残った洗浄液を耳の外に出します。
もしそのような動作が見られなくても心配することはありません。
そのうち自然に乾燥します。
イヤクリーナーは、耳掃除において大変便利なグッズですが、耳のなかに傷があったり、できものなどといったトラブルがある場合には、症状が悪化する場合があります。
耳に何らかのトラブルがある場合は、イヤークリーナーの使用は控えるようにしましょう。
猫の耳垢で分かる猫の健康状態
猫の正常な耳垢は、茶色っぽく少しベタついた感じです。
ただし、環境などによっても耳垢の状態や量、出方は異なります。
愛猫の正常な耳垢の状態を知ることで、健康状態が分かるようになります。
猫は基本、耳垢がたくさん出ることはありません。
飼い主さんが気になるほど、耳垢が出ているのは、病気や体調不良のサインかもしれません。
また耳から変なにおいがする、普段と違う耳垢が出ているなど、気になることがあれば、早めに動物病院を受診しましょう。
耳垢が大量に出たり、においが気になる時は、外耳炎や耳ダニの可能性が疑われます。
外耳炎について
外耳炎になると、大量の耳垢が出たり、においを伴う分泌物が出ます。
湿度の高い季節は、外耳炎を発症しやすくなります。
耳が汚れていたら、拭いてあげたりするなど耳を清潔に保つようにしましょう。
耳ダニについて
耳ダニは、外耳道の表面にミミヒゼンダニが寄生することにより発症する感染症です。
ダニに寄生されている猫と接触することにより感染します。
子猫や外に出る機会が多い猫に多く見られます。
これらの猫は、日々気をつけておくとともに耳のにおいもチェックするようにしましょう。
まとめ
猫にとって耳は、大変重要な役割を果たしています。
愛猫の健康を守るためにも、耳に気を配り、気になる汚れがあるようなら無理のない範囲で耳掃除をしてあげるようにしましょう。