猫用ミルクはどんな風に選べばいい?猫用ミルクの与え方について
猫用ミルクはどんな風に選べばいい?猫用ミルクの与え方について|川西市のミネルバ動物病院【犬猫専門】整形外科、手術
2024/02/10飼い方・しつけ
猫用ミルクはどんな風に選べばいい?猫用ミルクの与え方について
「猫に牛乳を飲ませちゃダメなの?」
そうなんです!
猫に人間と同じ牛乳を飲ませるのはNGです。
猫はミルクを飲むイメージがありますが、猫が飲んでいるのは、猫用ミルクなのです。
今日は、猫を初めて飼うという方にも分かりやすく猫用ミルクについてご説明いたします。
猫用ミルクとは?人間が飲む牛乳と何が違うの?
猫用ミルクは、その名の通り、猫専用のミルクのことです。
栄養補給や水分補給に大半役立つので、子猫の食事として与えることが多いものです。
猫用ミルクは、用途や与える猫の年齢によってミルクの種類が異なります。
なぜ私たちが飲んでいる牛乳を与えてはダメなのでしょうか?
私たち人間が飲む牛乳には、乳糖と呼ばれる糖質が多く含まれています。
人間は、小腸でラクターゼと呼ばれる消化酵素によって乳糖を分解、吸収しますが、猫はラクターゼを多くもっていません。
そのため、分解吸収が出来ず、下痢や嘔吐を引き起こしてしまうのです。
その点、猫用ミルクは、乳糖が少なく成分を調整していますので、猫に与えても安心なのです。
猫用ミルクにはどんな種類があるの?
先ほど、猫用ミルクには、用途や与える猫の年齢によってさまざま種類があるとご紹介しました。
どのような種類があるのか、メリット・デメリットも含めてご紹介しましょう。
猫用ミルクを選ぶときの参考になさってください。
年齢によって選ぶ
猫用ミルクには、大きく分けて3種類あります。
年齢のステージに合わせて、それぞれミルクに含まれる成分が調整されていますので、飼っている猫の年齢に合わせて、適したミルクを選んであげましょう。
子猫用ミルク | 生後1か月前の子猫の食事は、ミルクです。 必要な栄養をミルクから摂取しなくてはならないため、子猫用ミルクは、高たんぱく、高脂肪に栄養価が調整されています。 |
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成猫用ミルク | キャットフードだとあまり食が進まない猫に与えたり、おやつとして与えるミルクです。 ミルクは、タンパク質や脂肪を多く含みます。 おやつとして与える場合には、低カロリーのものを選ぶことによって、肥満予防になります。 |
シニア猫用ミルク | シニアになると体を動かすことが減ってきます。 肥満気味になっている猫も多いので、その場合には低脂肪のシニア用ミルクをチョイスするようにしましょう。 このほか、便通が気になるようであれば、腸内細菌を整えるミルクオリゴ糖配合のもの、関節炎が気になる猫であれば、コンドロイチンやグルコサミン配合のミルクがおすすめです。 |
形状によって選ぶ
猫用ミルクには、2つの形状があります。
粉末タイプと液体タイプです。
粉末タイプは、与える際に、その都度ミルクをはかり、お湯に溶かしてつくるタイプです。
長期保存ができる点、必要な量だけつくれる点がメリットですが、若干手間がかかるという点に関してはデメリットといえます。
子猫やシニア猫に与える場合など、長期的にミルクが必要である場合には、長期保存できる粉末タイプが便利だといえます。
紙パックなどで売られているのが液体タイプです。
常温で保存でき、開封して温めるだけで与えられるので、手間がかからないのがメリットです。
その一方で、長期保存ができない、粉末に比べて値段が高いという点がデメリットといえるでしょう。
たまに与える程度であれば、液体タイプが便利でしょう。
ただし、液体タイプのミルクは、一度開封したら冷蔵庫で保管しなければいけませんので、ご注意ください。
猫用ミルクを与える目安は?どれぐらいの量を与えるべき?
猫用ミルクは、年齢や用途によって与え方が異なります。
成猫やシニア猫の場合は、主食ではなくあくまで健康をサポートする目的で与えるので、1日1~3回を目安にしてください。
子猫の場合は、ミルクが主食です。
週齢に合わせて与える量と回数を変えましょう。
ミルクのパッケージに適量が記載されていますので参考にしながら与えてください。
もし、ミルクを飲んだあとも鳴いてお腹を空かせているような素振りを見せたら、その際には状況に応じてミルクを追加するなど、臨機応変に対応するようにしましょう。
ミルクを与えるタイミングは、生まれて1週間を経過していない場合は2~3時間おきに与える必要があります。
子猫は、長時間ミルクを飲まないと低血糖を起こす可能性があります。
眠っているときはそっとしておいた方が良いですが、6時間以上間が空くようであれば、子猫を起こしてミルクを飲むように促すなどしてみてください。
1回に飲めるミルクの量が極端に少ない場合も、低血糖を起こす可能性があるので、こまめに与えるようにしましょう。
生後3週齢が過ぎたころ、子猫には乳歯が生えてきます。
この頃になると、徐々にミルクから離乳食へ移行していきましょう。
1週間ほどかけながら移行していくようにします。
生後8週齢までに離乳食に完全に切り替え、生後10週齢には、固形のキャットフードを食べられるようにしていきます。
子猫用のミルクは、栄養価が高いので、いつまでも与えていると肥満になってしまいますので注意が必要です。
猫用ミルクがないときには代用品となるものはある?
「うっかりしていて猫用ミルクを切らしてしまった」というときには、代用品を与えることもできます。
代用品として使用できるのは、以下の3つです。
スキムミルク
スキムミルクは、牛乳から脂肪分と水分を取り除いて粉末状にしたものです。
いわゆる脱脂粉乳です。
代用品として使用することは可能ですが、スキムミルクは脂肪分を含んでいないため低カロリーです。
あくまでも代用品として一時的に与えるだけに留めておきましょう。
また下痢をするようであればすぐに与えるのをやめてください。
無乳糖乳・低乳糖乳
牛乳と異なり、乳糖を含んでいない、もしくは乳糖の含量が低いものなので、一時的であれば猫に与えることができます。
無脂肪や低脂肪乳とは異なりますので、ご注意ください。
砂糖水
ミルクを長時間与えないと、子猫は低血糖になってしまいます。
それを防ぐためには、砂糖水も有効です。
ただし、これはあくまで低血糖を防ぐための応急処置と考えてください。
砂糖水だけでは子猫に必要な栄養は取れません。
早めに猫用ミルクを用意し、与えるようにしましょう。
まとめ
猫用ミルクが猫にとって、特に子猫にとって大変重要な役割を担っているということがお分かりいただけたと思います。
猫に与える場合は、必ず猫の年齢に合った、また用途にあった猫用のミルクをお選びください。
もし猫がミルクを飲まない場合には、ミルクの温度が適切でない場合が考えられます。
ミルクの適温は38~40度ぐらいです。
また体温が低いとミルクが飲めない場合があるので、室温の見直しやホットカーペットを用意するなどといった環境づくりも必要です。
子猫の場合は、排泄ができていないことがミルクを飲まないことにつながっている場合があります。
これらの原因に当てはまらない場合で、子猫が何時間もミルクを飲まないときは、体調が悪いのかもしれません。
早めに動物病院を受診しましょう。
特に子猫は、日頃からしっかりと様子を見てあげ気を付けてあげることが重要です。
子猫が元気に成長するのを見守るのも飼い主さんの役目です。
しっかりと見守ってあげてくださいね。